2015年度活動報告

第1回ユースラムサール交流会 in 藤前

 

 5月4日~6日に、名古屋市の藤前干潟で「第1回ユースラムサール交流会 in 藤前」をおこないました。

 この交流会には、宮島沼(北海道)・蕪栗沼・周辺水田/化女沼(宮城県)・藤前干潟(愛知県)・琵琶湖(滋賀県) ・彦谷ビオトープ(和歌山県)・中海(鳥取県)で活動する8団体から18人のユース(13歳~18歳)が集まり、参加者同士の意見交流や普段行っている活動発表、滋賀大学名誉教授の川嶋宗継先生による講義の受講などをおこないました。 また、参加者自身がスタッフとして一般の人に干潟の自然を楽しんでもらう『干潟祭り』を行いました。この『干潟祭り』は、地元藤前干潟で活動する参加者が中心となり、春の準備からユースもスタッフとして参加、藤前干潟の魅力を知ってもらうため、穴ほり・貝あつめ・人文字の3つのイベントをおこないました。交流会の参加者同士で行った「意見交流会」では湿地が抱える問題点や、今後してみたい活動を話し合いました。

ミニ交流会 in エコライフ・フェア

 

 環境省主催、東京の代々木公園で毎年開催される「エコライフ・フェア」には、ラムサール条約関係市町村会議、日本国際湿地保全連合(WIJ)、ラムサールセンター(RCJ)が実行委員となり「湿地の恵み展」というタイトルでブースを出展しています。来場者に湿地の重要性について伝えると共に、全国にあるラムサール条約湿地で活動する人たちの情報交換の場ともなっています。

 その「湿地の恵み展」が、2015年6月6日(土)、7日(日)の二日間にわたって開催され、今年は上記の実行団体のなかに私たちYRJも加えていただきました。当日は9人のユースメンバーが参加し、ボランティアとしてその開催に協力すると共に、エコライフ・フェア来場者にYRJとメンバーの活動を発表、さらに6月7日にブース内でミニ交流会を行い、ユースメンバー同士の情報交換会を実施しました。来訪者のなかにはYRJの活動に興味を持ってくださった方がおり、特に他湿地から「湿地の恵み展」に出展していた方に「ぜひ、うちの湿地でもユースの活動をやってほしい」と声をかけていただけたのは、たいへんに嬉しいことでした。また、劇団シンデレラのステージにも登場させていただき活動紹介をしたり、ユースの活動発表にも多くの人が足をとめて聞いてくださるなど、YRJの活動をPRする場として絶好の機会になりました。

裏方研修会 in くじゅう坊ガツル・タデ原湿原

 

 7月17日~20日に、九州は大分県にあるラムサール条約湿地「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」において、「裏方研修会 in くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」を開催しました。これは、同日程で開催された「KODOMOラムサール<くじゅう坊ガツル・タデ原湿原>」に合わせて開催されたもので、 KODOMOラムサールを裏から支えるスタッフの仕事を手伝いながら、プログラムの進め方や裏方仕事について学ぼうというものです。

 初日は、現地までの移動が中心。この日はちょうど台風11号が西日本に上陸した日で、参加者、スタッフ共々、九州への移動ができるかどうか不安でしたが、なんとか無事に到着することができました。夜には宿泊地で滋賀大学名誉教授の川嶋宗継先生よりユースの活動についての講義を実施していただき、初日は終了。2日目はKODOMOラムサールの開催初日。午前中はスタッフミーティングに参加し全体の流れをつかんだ後、準備作業の手伝い。昼食後は参加者の受付を手伝い、いよいよKODOMOラムサールの開始。最初の劇団シンデレラのミュージカルにも協力しました。その後のプログラム中は見学が主でしたが、プログラムの進め方を学んだり、裏方として会場のセッティングを手伝ったりしました。

3日目は野外プログラムとKODOMO会議。KODOMOラムサール参加者と共にくじゅう坊ガツル・タデ原湿原の自然を堪能し、環境、生物、湿原維持に向けての取り組みなどについて学びました。夜の会議では、ユース&劇団シンデレラでもひとつグループを作り、くじゅう坊ガツル・タデ原湿原の宝物について考えました。最終日の4日目は、いよいよ最後のKODOMO会議。この日も見学が主でしたが、最後の「宝物ポスター」の貼り付けを手伝い終了となりました。KODOMOラムサールを裏で支えるスタッフの、仕事や大変さを感じることができた4日間でした。

北海道ラムサールネットワーク総会での活動発表

 

 北海道内のラムサール条約湿地13箇所で構成される「北海道ラムサールネットワーク」の総会において、活動発表を行いました。会場となった大沼は、2012年にラムサール条約に登録された北海道南部の淡水湖です。道内各地のラムサール条約湿地の行政担当者やNGO関係者、活動している子どもたち、約50名の前でユースラムサールジャパンの紹介と、第1回交流会、およびエコライフ・フェアでの活動の様子について紹介しました。また、プログラムの1つとして、ミュージカルを上演した劇団シンデレラに協力し、参加した子どもたちに「大沼」の保全とESD・GAPについて伝えました。また、道内各地のラムサール条約湿地で活動する人たちに、湿地で活動するユースの全国組織があることを知ってもらうことができました。今回の発表にあたっては、北海道ラムサールネットワークの事務局を務める宮島沼水鳥・湿地センター、および大沼のある七飯町の担当者のご厚意により、ユースの活動発表の時間をいただくことができました。

劇団シンデレラのワークショップ(共催事業)

 

 8月8日(土)に劇団シンデレラ主催の「環境ワークショップ」に協力しました。一般参加者50名を対象に、ワークショップとして、「藤前干潟の生きものカルタ」を用いたゲームを実施しました。干潟の生きものの特徴をヒントとして伝え、その答えとなる生きものをカルタの写真から選んで当ててもらうもので、干潟の生きものの特徴と生態について学んでいただくことができました。劇団シンデレラの活動拠点である一宮市での活動ということで、広報活動をしっかりと行ってくださっており、地元の方が多数参加。参加対象は親子であり、参加者は幼児~大人までと年齢の幅は広かったですが、その分、ワークショップも親子で楽しんでいただくことができました。小さな子どもから大人まで、幅広い年齢層に「藤前干潟の生きものの魅力」を伝えることができました。劇団シンデレラの主催事業ということで、「湿地保全とESD・GAP」をテーマとするミュージカルの上演も行われ、ユースラムサールジャパンのメンバーも、その上演に協力しました。

第2回ユースラムサール交流会 in 琵琶湖

 

 第2回目の交流会のテーマは「琵琶湖と人との関わり」。日本一大きな湖として知られる琵琶湖ですが、同時に日本で一番広いラムサール条約登録湿地であり、また日本で最も人と密接な関係を持つ湿地でもあります。そんな琵琶湖を北から東から西から南から…ぐるっとまわって様々な角度から見て学ぼうというのが今回の企画の主旨でした。

 初日(9月19日)に開催された「環境デーなごや」においては、会として単独でブースを出展し、来場者にユースラムサールジャパンの活動を伝えると共に、ワークショップとして「ストーンペイント」を実施。約200名がブースに来場しました。また、野外ステージにおいて活動発表を実施。一般来場者約50名の前で、各活動湿地で行われている取り組みについて発表しました。

 2日目は琵琶湖の北部と東部においてプログラムを実施。滋賀県長浜市の湖北野鳥センターの見学を実施し、北湖(琵琶湖の北部)の環境について学習した。その後、長浜市の尾上浜にて水草の観察を実施。実際に琵琶湖に入り、北湖の水の透明度を感じると共に、水草の多様性について学習しました。夕方からは彦根港に移動して、琵琶湖の伝統食(湖魚料理)についての講義を実施。講師のKODOMOラムサールでお馴染の中村大輔先生の講義のより、琵琶湖の食文化について学習しました。また、実際の湖魚料理のお弁当を食べ、琵琶湖の食文化の一端にふれました。

 3日目は琵琶湖の西部、高島市において漁業体験を実施。船に乗り琵琶湖の沖合に出てビワマスの漁業体験を実施しました。また同日に高島市の針江生水の郷を見学。地元のガイドの案内のもと、針江地区残る昔ながらの湧水を利用した仕組みである川端(かばた)を見学。昔ながらの湧水を利用した生活を見学しました。また、漁業体験において釣ったビワマスは、夜、調理して試食しました。

 4日目は琵琶湖の南部、大津市においてプログラムを実施。琵琶湖から流れ出す唯一の河川である瀬田川において、外来魚(ブルーギル)釣りを実施。釣った外来魚はウォータ―ステーション琵琶において解剖を行い、胃内容物を観察しました。また、昼食にはブラックバスのフライを調理し試食。午後からは、滋賀県水産試験場の菅原和宏氏、琵琶湖河川レンジャーの佐々木和之氏による講義を実施し、琵琶湖の環境や生物、外来魚問題、保全に向けての取り組みなどについて学習しました。